アメリカ初の黒人大統領が誕生する。11月の大統領選挙で勝利した民主党バラク・オバマ氏が来年1月20日に正式就任の予定だ。ある日本のテレビ番組では、アメリカ国内の関心度が80%だったのに対し、日本国内では83%と高い関心を持っていたことを紹介していた。アメリカ大統領に立候補するのに必要な資格は一つ。それはアメリカ合衆国で生まれたという事実である。 人種問題というと、人種について話してもいけないと勘違いをしがちだがそうではない。マスコミも含めてアメリカでは人種について語ることが多い。人種について語ることと、差別的な言動するということはまったく異なる次元のこととして区別されているのだ。たとえば、世界中で読まれているタイム誌のオンラインバージョン TIME.com でも昨年の2月1日付けで“Is Obama Black Enough (オバマは黒人と言えるのか)?”という記事が紹介されている。 もともと住んでいたインデアンを除いて、アメリカは移民から成り立っている国であり、自分のルーツについては皆よく知っているし話題にもなる。“I am Japanese”と言っても、日本国籍を持っているという意味とは限らず、日本で生まれた、あるいは両親が日本人という意味に使われることが多い。“Half Japanese, quarter German and quarter French”と言うと一方の親が日本人、もう一方はドイツ人とフランス人の間に生まれたということになる。 バラク・オバマについて情報を集めてみると、その父親はケニア人バラク・オバマ・シニア、母親はイングランド・アイルランド・ドイツ系アメリカ人アン・ダナム・ストロ。1961年、ハワイでの出生であった。その後両親の離婚、母親の2回目の結婚などで、少年期をインドネシア、ハワイで過ごした。そして高校を卒業すると、ロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴと大学、仕事の関係で移り住んでいる。一般にいう黒人とはずいぶん違っており、『黒人大統領』と日本語で書かれていると間違った印象を受ける。つまり、オバマ次期大統領は人種のるつぼと呼ばれるアメリカで育った典型的な、中上流階級のいわゆるアメリカ人である。
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