前回は、BCP(事業継続計画)を発動する際の指令塔である「コマンドセンター」の役割について解説した。今回は各部署に求められるBCPの内容やレベル、果たすべき役割などについて考える。まず前半では、BCPの策定を効率的に進めるために「クリティカルな業務」を明確にすることを提言する。後半では、昨今のBCM(事業継続マネジメント)において、情報システム部門に求められる新しい役割について解説する。「クリティカルな業務」を識別するBCMは、事業を滞りなく継続するための活動である。したがって、企業の事業活動を支えるすべての部署がBCMの対象となる。しかし、仮に企業内のすべての業務が一斉に中断したとしても、それらすべての業務を、同じ緊急性で復旧させる必要はない。では、どのような業務を優先的に復旧させるべきなのだろうか。その答えは、業務単位に「事業影響度分析(BIA)」を実施することによって、導き出すことができる。BIAとは、災害などが発生して業務が中断した場合、財務的な影響および非財務的な影響が、どの程度出るのかをシミュレーションする分析手法である。すべての部署のすべての業務についてBIAを実施すれば、全業務に関する影響度が算出される。それらを、値の大きいものから順に並べれば、どの業務を優先的に復旧させなければならないのかを知ることができる。

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