サムズクラブでなら成功するという判断は、数少ない成功体験にも基づいている。スーパーセンターなどでも、「特売用ディスプレイ」の品切れ防止では、成果を上げていたからだ。冒頭の特売品への義務化のうわさも、それがベースになっている。特売用ディスプレイは、大量の商品を詰め込み、店舗の目立つ場所にそのまま置けるようにしたもの。納入業者は売り出しの期日に合わせて特売用ディスプレイを各店舗に納入する。しかし、指定日に品出しされるのは、その半分程度と言われている。クリスマス用装飾品のディスプレイが、クリスマスが終わった後に品出しされたといったことが頻繁に起こっている。2005〜06年ごろ、P&Gやキンバリー・クラークといったICタグ積極派の日用消費財メーカーが特売用ディスプレイにICタグを張り付けてみた。張り付け単位がディスプレイなので、サムズクラブの場合と同様、パレットのラップフィルムをほどいてICタグを張り付けるといったことが必要ない。つまり、張り付けコストが他の商品に比べて低い。店頭でも特売用の専用位置に置くため、陳列ミスは起きにくい。クリネックス・ブランドといった世界ブランドを持つキンバリー・クラークの場合、ディスプレイにICタグを付けることで、品出し率を20%向上させた。07年に入ると、P&Gやキンバリー・クラークの成功を見た一部の納入業者が、特売用ディスプレイにICタグ張り付け始める。
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